田無神社 第八回絵馬デザインコンテスト結果発表!
田無神社 第八回絵馬デザインコンテスト結果発表!


西東京市をはじめ、全国の皆さまから多数のご応募(応募総数122作品)をいただきました。
これらの作品は、9月25日(木)に開催された選考委員会において厳正な審査を行い、漫画家・クロマツテツロウ氏、切絵作家・小出蒐氏、ジェイコム東京 西東京局・中山純也局長により、入賞4名、入選25名が選出されました。

賞・表彰

「田無神社絵馬の奉製」

入賞者4名の作品を令和8年(2026年)田無神社絵馬デザインとして採用し、お正月の前後に絵馬として奉製いたします。

デザイン展

2025年10月6日(月)13時から10月10日(金)16時までの間、アスタ2階「センターコート」にて田無神社絵馬デザインコンテスト入賞作品ならびに入選作品の展示会を開催いたします。

※田無ASTA(アスタ)へのアクセスはこちらをご確認ください。

特別審査員による、総評と来年に向けて

クロマツテツロウ 氏

漫画家

クロマツテツロウ 氏

奈良県出身。東京を拠点に漫画家として活動。
現在は「グランドジャンプ」(集英社)にて『ドラフトキング』、 「ゲッサン」(小学館)にて『ベー革』を連載中。
他作品には、 『山本昌はまだ野球を知らない』、『野球部に花束を』、 『ヤキュガミ』、書籍『野球部あるある』などがある。

田無神社の絵馬コンテストでは毎年モチーフが変わりますが、馬は漫画家でさえ描くのが難しい題材だと思います。
今年はさまざまなアプローチが見られました。外側を太い線で描くイラスト風の作品や、デッサンを重ねて筋肉の付き方を表現した作品など、多様な表現方法が試みられていました。
画材の種類も広がってきており、パソコンによる作品が主流だった中、クレヨン、水彩、押し花、色鉛筆など、アナログ回帰の傾向が見られ、とても興味深く拝見しました。来年の作品も大いに期待しております。
今年の馬は動的なモチーフだったため、躍動感のある作品が多く見られましたが、来年の羊は静的な印象の作品が増えると予想しています。しかしその分、世界観や空気感が表現されやすい題材でもあると感じており、大いに期待しています。
私自身も羊を描いたことはあまりありませんが、毛並みやフォルムの取り方、質感の出し方などが表現の鍵となるでしょう。自由な構図と構成で、皆さまが楽しみながら表現してくださることを願っております。

大賞 和紙に描かれていると思われますが、外形の主線の色を変化させている点に温かみがあり、印象の良い作品でした。
さまざまに考察したところ、この太陽はクジラにも見え、ダブルミーニング的な構成なのかと想像いたしました。海を表現しながらクジラも連想させるという、高度な技術を感じます。
また、馬に乗る女性が横を向いており表情が見えない構図に、作者の個性が光っています。プロレベルの構図で、本当に素晴らしい作品だと思います。この絵馬をぜひ手元に置きたいと感じました。

金賞(クロマツテツロウ賞) 大賞作品とは対照的に、迫力で勝負した作品という印象です。
今年のテーマである「午」と「太陽」に対して、太陽を馬の目の中に描いた点にとても感動いたしました。太陽をどう配置するかに苦戦された方が多い中、目に取り込んだという構成に独自性を感じます。
馬の毛並みの表現もデザイン性が高く、色使いが非常に秀逸です。ホワイトの細かい表現も丁寧に施されており、迫力を残しながらも繊細なタッチが光っています。
馬の全体像や横顔といった定番の描写ではなく、別のアプローチから挑んだことで良い結果につながったのではないかと感じます。

J:COM賞 子どもの目に映る世界がそのまま描かれているような、太陽と植物の表現が印象的でした。手前に木や岩が描かれており、遠近感もしっかりと表現されています。現実の風景をそのまま描いているようで、非常に希望に満ちた作品です。この作者の今後の成長がとても楽しみです。

小出 蒐 氏

切り絵作家

いで しゅう

妖艶さを帯びた女性から、歴史の場面を切り抜く迫力ある切り絵を信条としている等、その表現は卓越している。
著書に琥珀艶の光と影・日本の風俗美、平家物語絵巻。朝日新聞市内版カレンダー、多摩六都切手、日本の昔ばなし等活動多彩。
他に、個展/東京芸術劇場、NY日本ギャラリー、切り絵の森美術館等多数。
フランス芸術協会展ル・サロン連続入選。

第8回を迎えた今回は、初期の頃とは異なり、皆さんがしっかりとテーマを持ち、物語性を意識して作品を描いているように感じました。
絵馬になるには、単に干支を描くだけでなく、見る人に物語を想像させる要素が必要です。
そのために構図や色の工夫が重要であり、自分らしさをそこに表現していただけたらと思います。
選ばれた作品にはいずれも躍動感があります。現代では馬はあまり身近にいない存在ですが、なじみの薄い題材に対してどう向き合うか、自分なりに工夫して描いていただけたらと思います。
来年は、さらに新しい表現がどのように現れるか、私たちも一つのテーマを持って選考に臨みたいと考えております。来年の羊は描き方にその人の個性が強く表れる題材だと思います。迫力のある動物ではなく、物語に登場することも比較的少ないため、表現の幅が問われます。どういった方法で描くか、ぜひ自由な発想でテーマを考えていただければと思います。今までにない想像力を働かせて、新しい挑戦をしてほしいです。あまり一つのテーマにこだわらず、自由に描いていただくことがより良い結果につながるかもしれません。

大賞 これまでにない繊細さと迫力、そして歴史の重みを感じさせる作品だと思います。全体としてバランスが良く、絵馬にした際にも素晴らしい絵馬になると感じました。
特に印象深いのは、馬に乗り矢を射ようとしている場面での馬の躍動感と、そこに感じられる上品さ・気品です。構図も平面的になりすぎず、波や鱗模様、海の中から太陽を見上げるようなバランスなど、全体の構成が巧みにまとめられております。
馬の描き方は完璧であり、流鏑馬神事を題材としている点に加え、射手が女性であるという構成がとても新鮮です。鎌倉時代の武士に見られるような刺々しさとは異なり、気品を漂わせた柔らかさのある女性像が見事に表現されていると思います。

金賞(小出 蒐賞) 大賞作品とは趣が異なり、非常に迫力のある作品です。馬の腹側から見上げるという構図は斬新であり、このような視点を選んだことに感心いたしました。
暴れ馬が今にも絵馬から飛び出しそうな印象を受けるほどの迫力で、色使いも非常に巧みです。荒々しい馬でありながら、落ち着いた色彩で表現されており、バランスが取れています。
太陽の大きさや明るさも他の赤とは異なり、作品になじんでいます。色・構図ともに全体のバランスが取れており、それでいてこれまでにない新しい構図を提示していると感じました。

J:COM賞 太陽を子どもらしく大きく描いており、幸福感が伝わってくる作品です。太陽の存在感を理解して描いている様子がうかがえます。夕日に向かって周囲が迎えてくれるような雰囲気があり、希望に満ちた作品であると感じました。

ジェイコム東京 西東京局

中山 純也 局長

受賞作品はいずれもプロレベルの完成度の高い作品であったと感じています。一方で、子どもらしい魅力を持った作品も多数見られました。今後、さらに多くの子どもたちが参加できるよう、私たちも協力してまいりたいと考えております。

田無神社絵馬デザインコンテスト入賞者 田無神社絵馬デザインコンテスト入賞者

全国から集まった多くの応募作品のなかから選ばれた力作をご覧ください。

絵馬コンテスト 大賞

久野寧々 様

※絵馬をタップ/クリックすると拡大します。

絵馬コンテスト 金賞

クロマツテツロウ賞

神谷みゆき 様

※絵馬をタップ/クリックすると拡大します。

小出 蒐賞

東田紗穂 様

※絵馬をタップ/クリックすると拡大します。

絵馬コンテスト J:COM賞

貞松凜 様

※絵馬をタップ/クリックすると拡大します。

田無神社

〒188-0011 東京都西東京市田無町3-7-4
電話:042-461-4442 FAX:042-467-9236

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